世界自然遺産・白神山地の西端に広がるこの場所は、1704年の大地震によって山が
崩れ、点在する湖が生まれたと言われています。崩山の山頂から見下ろすと、ちょ
うど十二の湖沼が見えたことから「十二湖」と名付けられました。
中でも心を奪われたのは、コバルトブルーに染まる「青池」。まるでインクを落としたような、深く澄んだ青が、静かに、しかし確かに、見る者の内側に染み入ってきます。そして
「湧壺(わきつぼ)の池」もまた、別の青色をたたえながら、静かに森の時間を映
していました。
ブナの原生林に足を踏み入れると、確かにそこに流れる森の気配が
肌を撫で、耳をくすぐり、心をそっと整えてくれるのです。ここは、8000年という
悠久の時を抱えた世界自然遺産。ゆっくりと、その深みと静けさを味わえる場所でした。
アクセス JR十二湖駅より奥十二湖駐車場(有料)まで車で10分程度。
※冬季期間(12月〜3月末)閉鎖(ガイド付きであれば散策可)
撮影日時 2025年6月中旬 午前8時〜11時
気温 15℃
文章/坂本憲司
写真/坂本憲司
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